◆ First case / Interview
この記事について
東三河ミライ会議2040は、実在する地元企業1社の2040年を、業種の違う経営者たちで本気で考える会です。
第1回は2026年10月8日(木)16:00から、共催のMUSASHi Innovation Lab CLUE(豊橋駅前)で開きます。
題材になってくださるのは、豊橋で金網をつくる株式会社伊勢安金網製作所。
この記事は、当日を迎える前に4代目の安藤様へ35分お話を伺った記録です。これだけ読んでいただければ、当日の議論に入れます。
金網の会社と聞いて、何が売れていて何に困っているのかを思い浮かべられる人は、ほとんどいないと思います。
読み終えるころには、意外とよく考えて作られている製品だと分かるはずです。
◆ 01 / Company
前身は「伊勢安商店」。曲げわっぱに金網を張った篩や花籠を手作業で作って売る商店でした。
法人化からおよそ75年。安藤様は4代目にあたります(※1)。
いまは作る会社と売る会社の2社体制です。
強みは織れる種類の多さと、1枚から1万枚までの数量対応。網目も線の太さも、お客様ごとに変えています。
◆ 02 / What is wire mesh
ここが、今回のインタビューでいちばん面白かったところです。
いちばん目が細かい金網は、実は網戸だそうです。
「網戸って本当によくできてるなと、我ながら思うんですよ」
安藤様
バックネットの目はボールより小さく、線は突き破られない太さ。高速道路のフェンスが細かいのは小動物が入り込まないためです(※4)。どれも、そうでなければいけない理由があります。
この5つの組み合わせで用途が決まります。2040年の風景の中で、この性質が要る場面はどこにあるでしょうか。
当日の入口
「金網」という製品名で考えると、フェンスの話で止まります。けれど機能で考えると、要る場面は他の業界にもあるかもしれません。
◆ 03 / The outlook
つまり、公共工事が主なお客様ということになります。
その現場で、変化はもう起きています。職人の人手不足で、いま資材に求められるのは省力的に施工できること・軽くて同じ強度が出ること・環境負荷が低いことの3つ。
条件が変われば、答えも変わります。安藤様が挙げたのは、これまで金網が使われてきた工事が、別の製品や素材に置き換わる可能性でした。
2040年も楽観はされていません。災害はなくならず国土強靭化の方針もあるので、需要がすぐ消えることは考えにくい。ただし、増えるとも思っていない。
「大きく増えることはないとは思うんですけれども、少なくとも緩やかに横ばいになっていくか、緩やかに少しずつ減少していくというのが、この防災分野なのかなと考えてます」
安藤様
国内の鉄は需要が縮む方向。原材料もエネルギーも上がりやすい
出せるお金には限りがあり、配分先も1つではない
日本の人口は減っていく
金網業界には、誰もが知っているような大手が存在しません。全国の中小企業が担っています。
技術がAIへ変わっても、技術力ではリーダーシップを発揮し続けたい。お客様起点の製品開発を大事にしたい。豊橋の企業として地域に貢献し続けたい。事前にそう書いてくださいました。
◆ 04 / Why
75年、この土地に育ててもらった。ご自身も人生の半分を豊橋で過ごしてきた(※5)
「網のこと以外は分からない」。自分たちで仮説を立てるより、外の人に指摘してほしい
豊橋に戻ってきたばかりで知り合いが少ない。一緒に未来を考えられる人と出会いたい
2つめが、参加者にとっていちばん大事な一言だと思います。
「我々は網のことばっかり考えているので、網のこと以外だと、あんまり分からないことがたくさんあるんです。自分たちで格好をつけて仮説を立てるのではなくて、皆様からご指導をいただいて、何か引っ掛かりになるところがあれば」
「我々が気づいてないところって、たくさんまだあると思うんですよ。金網じゃなくても何か金網っぽい製品が活用できるところって、あるんじゃないのかなと」
安藤様
土木建築に絞ってほしいという要望はありませんでした。期待されているのは、こういうことです。
「金網のことを知ってもらえて、金網ってなんか楽しそうだな、いいなって思ってもらえる。ファンができることが、我々の会社の成長につながると思ってます」
安藤様
◆ 05 / Before the session
10月8日は、この記事を共通の出発点にします。会社紹介からは始めません。
AIの使いどころ
正解を用意する必要はありません。当日は人が仮説を出したあとにAIで視点を広げます。先にAIに聞くと一般論しか出てこないので、最初は人の頭で考えます。
網をいちばんよく知る会社が「網以外は分からない」と扉を開けてくださいました。当日は遠慮なく、外からの視点をお持ちください。
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